四柱推命にちょっと詳しい方なら、倒食(とうしょく)という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
「命式に倒食があるから不安…」という方も少なくないようです。
確かに、偏印(倒食)は食神を剋す作用がありますので、良くない作用をします。
ただしそれは食神が喜神、偏印が忌神だった場合です。
その場合は「喜神の食神を剋すこの偏印は悪い働きをする」と判断します。
けれど逆に言えば「食神が忌神」「偏印が喜神」だった場合は、悪い食神を剋す偏印はとても良い作用をする、ということになります。
偏印が喜神になるのか、忌神になるのかは、命式の内容によって変わります。
偏印は絶対に忌神になる、という訳ではありません。
また、食神、偏印の強さによっても判断は変わってきます。
もし、本当に偏印が忌神で喜神の食神に悪い作用があったとしても、その偏印がとても弱かったらそこまで悪い働きはしません。
また、その偏印自体を剋したり分けて弱める通変星を持っていたり、行運で偏印を弱める運気が来た場合、さらにその悪い作用を抑えることも出来ます。
偏印がある命式=悪い命式
という訳ではないんです。
大体、命式に食神があるから良い、という訳でもありません。
食神や正財、印綬があるから良い、といったことはありません。
それぞれの通変星に良し悪しはありません。
食神があるから良い命式、偏印があるから悪い命式、といった単純な話ではないんです。
大切なのは、天干のそれぞれの通変星が喜神なのか忌神なのかをしっかり見極めること。
そしてそれぞれの強さはどれくらいなのか、毎年の運気の流れはどのようなものなのかをきちんと把握することです。
偏印を持っていても、とても良い働きをする偏印もあります。
また、命式の良し悪しだけで運勢がすべて決まってしまう訳ではありません。
どれだけ良い命式でも、毎年巡って来る行運が悪ければ、その人の一生はあまりパッとしません。逆もしかりです。
命式の良し悪しだけに囚われず、どうしても心配な方は、行運も含めてきちんと鑑定してもらった方が良いかと思います。